
CR biteとは?かみ合わせの位置と矯正治療について
矯正治療とは歯並びだけではなく、上下の歯並びの「かみ合わせ」の治療でもあります。
そのため、上下の「正しいかみ合わせの位置」を正確に診査することは、歯列矯正の診断・治療を行う上で欠かせない非常に大事なポイントになります。
本日は、「かみ合わせの位置(咬合位)の種類」と理想の咬合位、咬合位と矯正治療について、詳しく解説していきます。
咬合位の分類
咬合位(かみ合わせの位置)には、習慣的にかんでいる「CO btie(CO位)」と、顎関節を基準とした「CR bite(CR位)」というものがあります。
CO btie(CO位)
習慣的にかんでいるかみ合わせの位置。
歯並び全体が最も緊密にかみ合っている状態であることが多い。
CR bite(CR位)
顎関節を基準としたかみ合わせの位置。
顎関節を中心に下あごをまっすぐ閉じた時、上下の歯が当たる位置。
理想の咬合位
CO bite = CR bite
であることが理想ですが、中には「あごを無意識で少し前にずらしてかんでいる」など、CO biteとCR biteがずれているケースもあります(CO-CR discrepancy、二態咬合)。
CO bite(CO位), CR bite(CR位)と矯正治療
CO biteとCR biteがほとんど一致している、またはずれが小さい場合には、そのまま検査・診断を勧めても問題がないケースが多いですが、ずれが大きい(>2mm)場合、
・治療計画
・抜歯有無
・抜歯部位
が変わる可能性もあり、慎重な判断が求められることになります。
また、このようなかみ合わせのずれは
・顎関節へ負担がかかりやすい
・矯正治療によってCO biteが不安定になった際、突如CR biteに変化することがある
・適切な咬合ガイドが得られず、咬耗(歯のすり減り)の原因となる
などの理由から、矯正治療を行う上でのリスクとも考えられます。
矯正治療では、
・顎関節になるべく負担をかけないため
・かみ合わせ全体を再構築した際に、CO btieからCR biteになりやすい
・適切な咬合ガイドを付与し、咬耗(歯のすり減り)の進行を防ぐ
などの理由から、なるべくCR biteを基準としてかみ合わせを作ることを目標としています。
矯正の初診相談や検査時に、かみ合わせを何度も確認されたことがある患者さんは、このCR biteを確認されていた可能性があります。
また、必要に応じて顎関節のCTやMRIなどを撮影し、患者さんそれぞれの顎関節の状態を確認することがあります。
これから矯正治療を行う方は、「歯並び」だけではなく安定した「かみ合わせ」も手に入れるべく、矯正医からご自身のかみ合わせについてしっかりと説明を聞いておくと良いでしょう。
著者

林 在娟(りん ぜよん)
御茶ノ水林矯正歯科 院長
略歴
大阪大学歯学部
歯学博士(大阪大学)
日本矯正歯科学会 認定医







